- GARDE À VUE 勾留
- L' ACCOMPAGNATRICE 伴奏者
- UN SECRET ある秘密
ロベール・ブレッソン、ジャン=リュック・ゴダール、ジャック・ドゥミ、フランワ・トリュフォーら映画史に燦然と輝くフランス映画の巨匠たちの助監督や製作主任としてキャリアをスタートさせたクロード・ミレール。監督デビュー後、圧倒的な手腕を示し、ヌーヴェル・ヴァーグの正統な後継者と呼ばれた彼は、巧みな演出術で、俳優たちの魅力を最大限に引き出した。シャルロット・ゲンズブールは彼に見出され名優の第一歩を踏み出し、ミシェル・セロー、リュディビーヌ・サニエなどは彼の演出によって新たな境地を切り拓いた。
ミレールが好んで撮ったのは、繊細でありながらエネルギッシュに生きる若者の心情や、人間の心に潜む理屈では割り切れない複雑な感情。周りとの関係性や状況によって揺れ動く人間の心理を独自の作家性で描きながら、観客との共感を常に意識し映画を作り上げてきた。生誕80周年を迎える本年、本邦劇場初公開作品を含む伝説の名作たちをHDリマスター版で一挙公開!
クロード・ミレールは、1942年2月20 日、ユダヤ人の両親のもと、ドイツ占領下のパリに生まれる。幼い頃から映画に興味を持ち、多くの巨匠たちを輩出する名門映画学校IDHE((現 FEMIS)に通う。初めて実践的な映画制作の経験を積んだのは、兵役中、フランス軍の映画部門。兵役の後フランスの著名な映画作家の助監督になり、ロベール・ブレッソン『バルタザー ルどこへ行く』(66)、ジャン=リュック・ゴダール『ウィーク エンド』(67)、ジャック・ドゥミ『ロシュフォールの恋人たち』(67)などに携わる。最も影響を受けた監督はフランソワ・トリュフォー。『暗くなるまでこの恋を』から『アメリカの夜』まで製作主任を務めた。監督としては34歳でデビュー。長編『いちばん上手い歩きかた』(75, 原題:LE MEILEURE FACON DE MARCHER/日本未公開)を撮り、セザール賞6部門(主演男優賞、監督賞、作品賞など)にノミネート。85年、シャルロット・ゲンズブールを主演に迎えた『なまいきシャルロット』で新境地を開く。
短編を含む20本の映画を世に残し、2012年70歳で生涯を閉じた。
僕は映画狂だった、と彼は発言をはじめる。映画が好きだ、とも彼は発言する。それは自信を持って言える。しかし、映画が撮れるのかどうか、それは断言できない。不幸なことに彼はヌーヴェルヴァーグの映画人たちが批評家から映画作家に転進したころ映画に接近をはじめた。ヌーヴェルヴァーグの映画群には実に感動したものだった。友人たちとの会話―もちろんその友人たちも映画狂だったーのときさえ、冗談を言いあうにしても、たとえばトリュフォーの『ピアニストを撃て』からジョークを捜したものだ。映画を観るのが生活だった。絶望的に数多くの映画を観たものだった。「カイエ・デュ・シネマ」誌も、「ポジティフ」誌ももちろん定期購読した。だが彼にはアンドレ・バザンが存在したわけではない。そして彼はすでにIDHEC(高等映画学院)に入学していた。映画史、編集、製作、どれも余り面白い授業や実習ではなかった。それでも彼は映画が好きだった。映画狂だった。イングマール・ベルイマンとアルフレッド・ヒッチコックは特に好きだった。何度も何度も繰り返し観た。若きトリュフォーのようにすべてのシーンを暗記していた。いつも行きつけの映画館の案内嬢とは顔見知りにさえなった。彼にとって若き日々とは映画館の暗闇だった。
地域 | 劇場 | 公開日 |
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宮城 | フォーラム仙台 | 上映終了 |
地域 | 劇場 | 公開日 |
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東京 | 新宿シネマカリテ | 上映終了 |
東京 | 角川シネマ有楽町 | 上映終了 |
東京 | 下高井戸シネマ | 上映終了 |
東京 | 早稲田松竹 | 4月1日(土)〜4月7日(金) |
東京 | Morc阿佐ヶ谷 | 7月21日(金)〜8月10日(木) |
神奈川 | 横浜シネマリン | 上映終了 |
神奈川 | あつぎのえいがかんkiki | 3月24日(金)〜3月30日(木) |
茨城 | あまや座 | 3月18日(土)〜3月24日(金) |
地域 | 劇場 | 公開日 |
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愛知 | センチュリーシネマ(名古屋) | 上映終了 |
富山 | ほとり座 | 上映終了 |
地域 | 劇場 | 公開日 |
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岡山 | シネマ・クレール | 上映終了 |
広島 | 横川シネマ | 2023年3月24日(土)〜4月6日(金) |
広島 | シネマ尾道 | 3月11日(土)〜3月17日(金) |
愛媛 | シネマルナティック | 3月25日(土)〜4月7日(金) |
山口 | 山口情報芸術センター[YCAM] | 2023年3月26日(日) |
地域 | 劇場 | 公開日 |
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福岡 | KBCシネマ | 上映終了 |
梅本洋一
(映画評論家)
須藤健太郎
(映画批評家)