なまいきシャルロット
  • GARDE À VUE 勾留
  • L' ACCOMPAGNATRICE 伴奏者
  • UN SECRET ある秘密
誰よりも映画を知りつくし、それを手中にした監督クロード・ミレール伝説の名作群がHDリマスターでスクリーンに甦る!

イントロダクション

ロベール・ブレッソン、ジャン=リュック・ゴダール、ジャック・ドゥミ、フランワ・トリュフォーら映画史に燦然と輝くフランス映画の巨匠たちの助監督や製作主任としてキャリアをスタートさせたクロード・ミレール。監督デビュー後、圧倒的な手腕を示し、ヌーヴェル・ヴァーグの正統な後継者と呼ばれた彼は、巧みな演出術で、俳優たちの魅力を最大限に引き出した。シャルロット・ゲンズブールは彼に見出され名優の第一歩を踏み出し、ミシェル・セロー、リュディビーヌ・サニエなどは彼の演出によって新たな境地を切り拓いた。

ミレールが好んで撮ったのは、繊細でありながらエネルギッシュに生きる若者の心情や、人間の心に潜む理屈では割り切れない複雑な感情。周りとの関係性や状況によって揺れ動く人間の心理を独自の作家性で描きながら、観客との共感を常に意識し映画を作り上げてきた。生誕80周年を迎える本年、本邦劇場初公開作品を含む伝説の名作たちをHDリマスター版で一挙公開!

われわれがもしミレールの映画に捕らえられるとしたら、それは様々に分類されうる水準の映画にそれが属しているからではない。物語は全く異なるものの、どの作品にも同じような運動が潜んでおり、その運動にこそわれわれは捕らえられるのである。その運動とはミレール映画における距離の映像化である。

梅本洋一
(映画評論家)

クロード・ミレールはいつも「想像力」のあり方を問うてきた。主人公はつねに妄想を膨らませ、物語を紡ぐ。今回上映される4作品はその典型だろう。『勾留』の刑事も、『なまいきシャルロット』の少女も、『伴奏者』のピアニストも、『ある秘密』の語り手も、みな想像界の住人だ。しかし、空想は現実の対義語とは限らない。噓は真実を隠すのではない。扮装が本来の姿を示すこともある。セクシュアリティに焦点が当てられるのは、そこで身体とファンタスムとが交錯するからだ。クロード・ミレールの映画を見るときに試されるのは、われわれの想像力である。現実を、自分のありのままの欲望を見つめるには、想像力の鍛錬が必要なのだ。

須藤健太郎
(映画批評家)

監督プロフィール

クロード・ミレールは、1942年2月20 日、ユダヤ人の両親のもと、ドイツ占領下のパリに生まれる。幼い頃から映画に興味を持ち、多くの巨匠たちを輩出する名門映画学校IDHE((現 FEMIS)に通う。初めて実践的な映画制作の経験を積んだのは、兵役中、フランス軍の映画部門。兵役の後フランスの著名な映画作家の助監督になり、ロベール・ブレッソン『バルタザー ルどこへ行く』(66)、ジャン=リュック・ゴダール『ウィーク エンド』(67)、ジャック・ドゥミ『ロシュフォールの恋人たち』(67)などに携わる。最も影響を受けた監督はフランソワ・トリュフォー。『暗くなるまでこの恋を』から『アメリカの夜』まで製作主任を務めた。監督としては34歳でデビュー。長編『いちばん上手い歩きかた』(75, 原題:LE MEILEURE FACON DE MARCHER/日本未公開)を撮り、セザール賞6部門(主演男優賞、監督賞、作品賞など)にノミネート。85年、シャルロット・ゲンズブールを主演に迎えた『なまいきシャルロット』で新境地を開く。
短編を含む20本の映画を世に残し、2012年70歳で生涯を閉じた。

クロード・ミレール
voice

僕は映画狂だった、と彼は発言をはじめる。映画が好きだ、とも彼は発言する。それは自信を持って言える。しかし、映画が撮れるのかどうか、それは断言できない。不幸なことに彼はヌーヴェルヴァーグの映画人たちが批評家から映画作家に転進したころ映画に接近をはじめた。ヌーヴェルヴァーグの映画群には実に感動したものだった。友人たちとの会話―もちろんその友人たちも映画狂だったーのときさえ、冗談を言いあうにしても、たとえばトリュフォーの『ピアニストを撃て』からジョークを捜したものだ。映画を観るのが生活だった。絶望的に数多くの映画を観たものだった。「カイエ・デュ・シネマ」誌も、「ポジティフ」誌ももちろん定期購読した。だが彼にはアンドレ・バザンが存在したわけではない。そして彼はすでにIDHEC(高等映画学院)に入学していた。映画史、編集、製作、どれも余り面白い授業や実習ではなかった。それでも彼は映画が好きだった。映画狂だった。イングマール・ベルイマンとアルフレッド・ヒッチコックは特に好きだった。何度も何度も繰り返し観た。若きトリュフォーのようにすべてのシーンを暗記していた。いつも行きつけの映画館の案内嬢とは顔見知りにさえなった。彼にとって若き日々とは映画館の暗闇だった。

梅本洋一(映画評論家)
「見えない距離を踏破するークロード・ミレールについて」季刊リュミエール21985―冬(筑摩書房)より

上映作品

『なまいきシャルロット』

『なまいきシャルロット』

L’ÉFFRONTEE
1985年/フランス/92分
  • 『なまいきシャルロット』
  • 『なまいきシャルロット』
  • 『なまいきシャルロット』
  • 『なまいきシャルロット』
「この町を出て自由になりたい。」反抗期真っ只中の少女は、町にやってきた同じ歳の天才ピアニストと出会い、外の世界を夢見る。カーソン・マッカラーズの小説「結婚式のメンバー」を元に、多感で繊細な少女のひと夏を描いた思春期映画の傑作。本作でデビューしたシャルロット・ゲンズブールは、史上最年少の14歳でセザール賞新人女優賞を受賞。思春期特有のコンプレックスや苛立ちを抱える少女を、瑞々しく好演した。
*1986年セザール賞助演女優賞・新人女優賞、1985年ルイ・デリック賞 受賞
監督・脚本:クロード・ミレール
脚本:リュック・ベロー、ベルナール・ストラ、アニー・ミレール
撮影:ドミニク・シャピュイ
出演:シャルロット・ゲンズブール、ジャン=クロード・ブリアリ、ベルナデット・ラフォン
© TF1 FILMS PRODUCTION – MONTHYON FILMS – FRANCE 2 CINEMA
『勾留』

『勾留』

GARDE À VUE
1981年/フランス/84分
  • 『勾留』
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  • 『勾留』
  • 『勾留』
大晦日の夜、幼女連続レイプ殺人の容疑をかけられた公証人。決定的な証拠が見つからない中、彼が犯人だと信じて疑わない刑事は尋問を続けるが、物語は思わぬ方向へ展開していき…。リノ・ヴァンチュラ、ミシェル・セロー、ロミー・シュナイダーら、名優たちが織りなす緊迫感あふれるサスペンス。セローはセザール賞主演男優賞を受賞。2000年に『アンダー・サスピション』としてリメイク。
*1982年セザール賞主演男優・編集・助演男優・脚本賞、1981年モントリオール世界映画祭最優秀脚本賞 受賞
監督・脚本:クロード・ミレール
脚本:ジャン・エルマン、台詞:ミシェル・オーディアール、撮影:ブルーノ・ニュイッテン
出演:リノ・ヴァンチュラ、ミシェル・セロー、ロミー・シュナイダー、ギイ・マルシャン
©1981 - TF1 FILMS PRODUCTIONS - TF1 DROITS AUDIOVISUELS
『伴奏者』

『伴奏者』

L' ACCOMPAGNATRICE
1992年/フランス/110分
  • 『伴奏者』
  • 『伴奏者』
  • 『伴奏者』
  • 『伴奏者』
第二次大戦時、ドイツ占領下のパリで世界的オペラ歌手の伴奏者となった貧しい20歳のピアニスト。彼女はオペラ歌手への羨望と嫉妬を胸に秘めながらも仕事に励むが、時代は彼女たちに人生の選択を迫り…。大人になる寸前の女性の複雑な心の揺らぎを、大きな時代のうねりの中に描いた愛憎劇。原作はニーナ・ベルベローワの同名小説。
*1993年イスタンブール国際映画祭国際批評家連盟(FIPRESCI)賞・審査員特別賞、1993年ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞受賞
監督・脚本:クロード・ミレール
脚本:リュック・ベロー、撮影: イヴ・アレグロ
出演:ロマーヌ・ボーランジェ、リシャール・ボーランジェ、エレナ・サフォノヴァ、サミュエル・ラバルト、ベルナール・ヴェルレー
©1992 STUDIO CANAL - France 3 Cinéma
『ある秘密』

『ある秘密』

UN SECRET
2007年/フランス/107分
  • 『ある秘密』
  • 『ある秘密』
  • 『ある秘密』
  • 『ある秘密』
あるユダヤ人家族。父親の愛情を感じられない病弱な少年は、両親が何か隠し事をしていると疑っている。第二次大戦を生き抜いた両親の秘密が、過去と現在を往来して紐解かれていく。フィリップ・グランベールの自伝的小説が原作の、ミレール晩年期の最高傑作と評される重厚な人間ドラマ。セシル・ドゥ・フランス、リュディヴィーヌ・サニエ、マチュー・アマルリックら当時の若手実力派が顔を揃えた。
*2008年セザール賞助演女優賞、2007年モントリオール世界映画祭最優秀作品賞、2008年ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞受賞
監督・脚本:クロード・ミレール
脚本:ナタリー・カルテル、撮影:ジェラール・ド・バティスタ
出演:セシル・ドゥ・フランス、リュディヴィーヌ・サニエ、マチュー・アマルリック
©UGC YM – FRANCE 3 CINEMA – INTEGRAL FILM

劇場情報

全国共通特別鑑賞券
1300円
(税込)
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2022年9月1日現在

関東

地域 劇場 公開日
東京 新宿シネマカリテ 9月23日(金・祝)
― 10月13日(木)
東京 角川シネマ有楽町 9月23日(金・祝)
― 10月20日(木)
神奈川 横浜シネマリン 順次公開

中部・北陸

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富山 ほとり座 順次公開

関西

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大阪 シネ・ヌーヴォ 順次公開
京都 京都シネマ 順次公開
兵庫 元町映画館 順次公開

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福岡 KBCシネマ 順次公開
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